今日も今日とて、とぜんでございます。

20代偏屈オタ男が日々とりとめないことを 書き留めるための随想録。 そしてそれは落書帳。 そしてそれはネタ帳。

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第10章:呻き声

高松駅前で、讃岐国、高野山金剛峯寺を定額寺とする
真言宗の開祖、弘法大師「空海」の銘を打った、
試供品のミネラルウォーター「空海の水」を授かった我々は、
讃岐うどんを胃袋で制すべく車を滑らせる。
ガイドブックを見ながら近いところから攻めてみることにした。

10分くらい迷いながら辿り着いた最初のお店は、見た目は
小さな寂れた大衆食堂のようにしか見えない。しかし店内に
足を運んでみると見た目とは裏腹に活気に満ち溢れている。

ご存知の方もおられるだろうが讃岐うどん屋は大抵の店は小さく、
いわゆる一般的な「食べもの屋」の外観をしている店は逆に珍しい。

自宅で、趣味で作っているというところもあれば、麺を卸している
店がランチとして格安で振舞っているというところもある。
なので店自体が住宅地の合間にあったり、別の店の駐車場の
奥にあったりと立地が非常に分かりづらく、見つけるのが難しい。
それ故電車やバスで移動するというのは効率が非常に悪いので
レンタカーを借りるというのは流石メガネの彼の賢明な判断である。
とにかく「麺」だけで勝負しているという感じの店も多く、
伝統を感じる。

このお店もそういった讃岐うどん屋の例にもれない。学食のように
セルフ式であり、自分で麺を貰って、つゆをぶっかけ、
ねぎを散らせ、揚げ玉を振り掛け、水を注ぎ、
昔の丸イスに着席するのである。

最初のお店のうどんはあまりに腹が減ったのと興奮しすぎて
1分とかからず食べてしまって撮影するのをすっかり忘れていた。
面目ない。

そして特筆すべきは値段の安さである。
普通の小1玉がなんと150円で食べられるのである。
デフレにも程がある。関東圏において安さで勝負しないラーメンを
一杯食べようと思えばどう頑張っても600円は飛ぶ。
それの4分の1の値段でうどん一玉を食べることができるとは
驚きである。うどんに限らずやはり全体的に物価が安いようで
都会の物価上昇率を憂いていた。

先ずは一杯のうどんを瞬殺した我々はすぐさま二軒目へ。

070811_1139~うどん2杯目製麺所


時刻は8月11日、11時40分。製麺所が副業としてランチを
振舞っているタイプのお店であった。これも瞬殺。

ところで急ピッチで移動しているのには理由がある。
讃岐うどん屋は閉まるのが早い。いわゆるランチタイムの間しか
開いていないのである。そういう理由もあってなるべく
多くのうどん屋をやっつけたいと思っていた私は
前部座席の輩を急かしていた。

しかしどうも恰幅の彼の様子がおかしい。どうやらもはや
満腹らしい。先にも彼は大飯食らいではないとは記したが
それにしてももう腹がきついとは情けない。インターバルが重要だ、
としつこく主張してくるので少し遠めの人気店を
目指してみることになった。

メガネの彼曰く、その店はとんでもない人気なので早めに
いかないとまずいと言う。なんでも釜玉うどんの発祥の
お店らしいのだ。「かまたま」とは釜揚げしたうどんに
すぐさま生卵を乗せたものであり、揚げたばかりのうどんの
余熱で卵が半熟になるというものである。そりゃ旨そうだ。
というわけで香川の田園風景を眺めながら、四国の間違った
勝手なイメージで四国談議に華を咲かせながら「かまたま」を
制すべく走っていく。

なにやら何もないところに出てきたがカーナビではこの地点を
明らかに指している。すると学校付近にお祭り騒ぎかと
見紛うほどの人だかりが出来ているのである。

070811_1243~行列のできるうどん屋


時刻は午後12時45分。
行列のできるうどん屋である。最後尾を示す看板を何故だか
並んでいるお客が持つというわけのわからんシステムに従って
最後尾看板を持ちながら待つ。そしてまた最後尾の客に看板を
手渡す。さながらうどんの聖火リレーである。

やっと番が回り、注文するはやはり「かまたま」である。

070811_1306~うどん3杯目 かまたま


またもや食欲に任せて慌てて食べて撮影するのを忘れていたので
食べかけの撮影になってしまった。お詫び申し上げる。
つゆをぶっかけ食べるうどんもまた格別だが、
この「かまたま」はまた別格である。でかいちくわ天を
乗っけて食べたのだがかなりうまい。卵がうどんをより
クリーミーでマイルドな味にしてくれるようである。

土産としてうどんを家に送ってもらい4軒目の店を目指す。
この時点で並んでいたこともあって時刻は2時近くであった。
ということはぼちぼち店が閉まり始める時間である。

急がなくてはならない。4軒目は「ひやひやうどん」のある
冷たいうどんを振舞ってくれる店にした。楽しみだ。
私のテンションがあがるのに反比例して恰幅の彼の
バイオリズムはかなり最低のようである。
腹が相当きついらしい。もう無理といった感じで降参している。
しまいにゃ目を瞑り自分との戦いに入ったようだ。

一通に阻まれながらぐるぐると回りながら辿り着く
4軒目はスポーツクラブの駐車場を突っ切った先にある。
とんでもない立地場所であると驚きながらその駐車場に止めて
勢いよく車を飛び降りると、下車したのは3人だけである。
恰幅の彼の姿はない。降りた3人で訝しげにお互い顔を
見合わせていると、一瞬の間をおいてものすごい
呻き声がしたのである。

ここから先は非常に汚らしい表現を含むことになるので、
お食事中の方、またはこの手のものが苦手な方はすぐさまここを
読み飛ばすか、読むのを中止していただくようお願いしたい。


「嘔吐」の二文字。サルトルも真っ青である。彼は無惨にも
耐えられなかったのである。とりあえず恐る恐る状況を
確認してみると、間一髪、車の中での暴発は防いだようである。
偉い。といってもドアを開けると同時に発砲したらしく多少ドアに
その痕跡が残っている。

とりあえず大丈夫か、と気をめぐらして見るが恰幅の彼は
満面の笑みで「すっきりした~!」と体を伸び伸びとさせている。
殴り倒してやろうかと思った。こちらはすっきりするどころでは
なく、うどん屋に入る気分ではなくなった。
とりあえず隣の会員制のスポーツクラブに駆け込み、
「友人が嘔吐したのでスポーツタオルを売ってください」と請うた。
屈辱である。

しかしこれだけではどうにもならないので近くに
「ドン・キホーテ」が存在していたのでそこで水とファブリーズと
その他、応急処置製品を恰幅の彼を休ませて購入しにいった。

購入する途中の道すがら、3人で疑問に思っていたことがあった。
いくらそんなに沢山食べられない彼とは言え、こんな簡単に
吐いたことなど今まで見たことがない。うどん3杯といってもどれも
最小サイズの一玉であり、換算すれば普通のうどんの
大盛りくらいしか食っていない、20代前半の男からすれば平均的な
量ではないだろうか。

ここで前章のことを思い出して頂きたい。彼は朝食に
ある危険なものを召しているのである。
そう、あの「から揚げ」だ。この猛暑の中、2日間ほぼ
放置されていたあの「から揚げ」だ。多少黒ずんでいたので
普通ではないと思っていたが、やはりである。

途端に不安になったのでもう気持ち悪くはないか、と
何度も彼に問うて見ると大丈夫だ、というのでとりあえず
一安心である。恰幅の彼は責任をとって六甲のおいしい水で
とりあえず無惨なうどんの残骸を洗い流す。
と、思いきや頭にぶっかけている!
何をやっているんだこいつは、と笑いと怒りを堪えて
突っ込みながら後片付けをする。

車の中はなんとか大丈夫そうである。レンタカーであるから
もし車の中でこの惨事が起きていたら罰則金である。
野口さんどころの問題では済まされなかった。

そして最後に彼は「お清めだ・・・。」と呟きながら「空海の水」を
振り掛ける。馬鹿だ。正真正銘の阿呆である。
こんな形でこの伏線が回収されるとは思っても見なかった。
というかこんなことして弘法大師に祟られないか不安である。

とりあえずもうこれ以上うどん巡業はできないと思い、
そそくさと四国を去ることを決めた。実は収録の中で、
「お前がもし吐いたら終了して広島だぞ。」と喋ってしまっていた。
もちろん冗談のつもりだった。

思わぬ形で讃岐国の旅を終えることになった負のオーラを
帯びた男四人一行は中国の要、広島を目指すことになった。


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隼んver.2.1

Author:隼んver.2.1
性別:男
出身:北海道札幌市
現住所:神奈川県横浜市
血液型:不明(いい加減知りたい)
職業:小売・販売業
これまでの迷言:
おれ達は前を見ることしかできない。
好物:ラーメン(何味でもかまわんです。)

少年老い易く、学成り難し。
もう少年でもないので、
老いてゆかぬよう頑張ります。
おっさん老い難く、学成り易し。

リンクフリーでございます。


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