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20代偏屈オタ男が日々とりとめないことを 書き留めるための随想録。 そしてそれは落書帳。 そしてそれはネタ帳。

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第4章:誇りを守るものを捨てよう

突然の更新。卒論提出終わったので書いてみます。


ヒトは衣服を発明した。それは寒さから身を守るため、
病気から身を守るため、快適な暮らしを得るためだった。
年月は過ぎ、人類は個性を表す手段としてまで
衣服の存在意義を高めていった。

九州で一泊を終え、8月13日の朝を迎えたわたしと恰幅の彼は
今、その尊厳を守るための衣服が激しく回転している
乾燥機の前でパンツ一丁で佇んでいる。
ミキサーの彼もメガネの彼もその姿はない。

博多コインランドリー


九州最大級の地方都市博多のコインランドリーという
文明の利器の中で至って原始的な格好で立っている。
わたしたちの尊厳を守るのはこの布きれ一枚だけだ。

なぜだろう。なぜこんなことになったのか。
それを説明するには時を遡らねばなるまい。

まず8月10日の旅の初日、京都の公衆浴場で体を洗いながら、
恰幅の彼とわたしはこんな会話をしていた。

「荷物とか重くしたくねぇから、ジーパンの変えとかないのだが。」

恰幅の彼は冷静に答える。
「それはぼくも同じだよ。でもこう考えればいい、一日一着ずつ
着替えるのを基準とすれば、下は一着しかないのだから、
この旅では一日七分の一ずつ使うことになるわけだ。
パンツもおなじ理論でいけば一日0.5パンツとかそんな計算だ。
だからたいしたことじゃないんだ。」

「なるほどそいつはすげー!お前天才だな(笑)。」

(笑)にはいろんな意味が含まれているとは思うのだが、
正直もう数学的なボケはつっこむの苦手だ。
なんとなく発想が凡人のそれとは逸脱していた。ある意味危険思想だ。
とりあえずボケにさらに乗っかることで称賛してしまった。

つまり衣服の限界を超えていたのである。
それがコインランドリーを探した一つの理由だ。

もうひとつ理由があった。それは昨晩のことである。
わたしたちはこの旅を卒業録音と題して
旅をしながらその過程を録音していた。
録音にはICレコーダーを使っていた。

レコーダーの管理はミキサーの彼に任せていたのだが、
博多駅に着いたとき、ある異変が起きていたのだ。
レコーダーの先端にあるはずのものがなかった。
マイクだ。マイクがなくなっていた。

正直この時はさしてそのことをあまり考えていなかった。
とりあえず九州上陸という達成感でどうでもよくなっていた。
その後遊び呆けて眠ってしまったわけなのだが、
やはりマイクは必要だ。当たり前だ。
そんな当たり前のことに朝気がついたのだ。

それで衣服を洗濯している間にミキサーの彼が
ヨドバシでマイクを買ってくるという並行ミッションがスタートしたのだった。

メガネの彼と言えば既に帰省して、鹿児島へ向けて
朝からさっさと一人出発してしまっている。
まさかメガネの彼もわたしたちがランドリーでパンツ一丁という
潔い格好で別の一日を始めているとは想像もしていないだろう。
何せ当人が想像していなかったのだから。

それにしても慣れると人はどこまでも落ちるということがわかる。
こうしていても正直さほど羞恥心がわかない。人として軸がぶれている。
ただ、パンツ一丁の男二人がぐるぐるまわる機械の前で
座っている姿は結構デスパレートであったとは思う。

とりあえずオイシイ状況であるとは思うので何か収録したのだが
もはや覚えていない。思いだしたくないのが半分本音である。

ぼけーっとしていると、ミキサーの彼が帰ってきた。
マイクは買えたらしいのだが、かなり高級なものしかなかったらしく
相当な出費であったと思う。

衣服も乾いた。この炎天下だというのに、擦り切れた薄手の群青色の
ジーンズはほっかほかである。この温もりはなんだか少し気持ちが悪い。
まあそれでも3日分の泥と汗の感触よりかは遙かにマシだろう。
まあ既に真っ当な感覚などわたしには残っていなかったのはさておく。
何はともあれ博多駅に戻ることとしよう。

当面の問題はこれで片付いた…と言いたいのだが
もうひとつ衣服の他にあるものが限界を超えていた。
背負っているタウン誌の重さである。もう耐えられる重量ではない。
雑誌を背負うのはこのくだらない企画を発案したわたしと
恰幅の彼というのがせめてもの筋の通し方だと思っていたので
二人で半分に分けて持っていたのだが都合2桁を超え出してから
肩への食い込み方が尋常ではなかった。

これをどうにかするために向かったのは郵便局である。

EXPACK


そう送ってしまうのだ。家に。エクスパックというのは専用のパックに
500円で入れられるだけ送ることができるすぐれたシステムだ。
写真で見るとそうでもないように思えるが、めちゃくちゃガチガチに
詰め込んでこれなので、やはり重かったと思う。

実際送り返してからのリュックの軽さといったら筆舌に尽くしがたい。
まるで羽が生えたよう、というのは言いすぎだが、とにかく肩が痛くない。
途中何度も捨てようと思った。捨てたらそれこそバッシングなので我慢した。
なんでこんなもんを背負って旅をしなきゃならんのか何度も自問自答した。
雑誌ではなくどうせなら業を背負いたいと
中途半端にうまいことを言おうとしたりもした。

それが全て報われた。
風来のシレンで倉庫の壺を見つけた感覚に似ている。

まあなにはともあれこれで殆どの問題が解決した。
後は次の電車に乗り遅れないように博多観光に洒落込むだけだ。
ここまで来るとだいぶ気が乗ってくる。パンツ一丁も悪くない。
人のプライドなんてのははずしてみれば案外安いもんだ。

色々なものを取っ払ってしまった4人改め、男3人一行は、
いよいよ旅の最終目的地鹿児島を目指すことになる。
とりあえずゴールはすぐそこまで来ていた。
鹿児島では先にメガネの彼が待っている。
その期待に応えなければならない。待っていろ鹿児島。


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隼んver.2.1

Author:隼んver.2.1
性別:男
出身:北海道札幌市
現住所:神奈川県横浜市
血液型:不明(いい加減知りたい)
職業:小売・販売業
これまでの迷言:
おれ達は前を見ることしかできない。
好物:ラーメン(何味でもかまわんです。)

少年老い易く、学成り難し。
もう少年でもないので、
老いてゆかぬよう頑張ります。
おっさん老い難く、学成り易し。

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